不整脈原性右室心筋症 遺伝

不整脈原性右室心筋症と遺伝の関係って?

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不整脈原性右室心筋症(ARVC)とは、(以下ARCBと表記します。)
60%以上のARVCが遺伝性であると言われています。

 

心室頻拍(しんしつひんぱく、VT: Ventricular Tachycardia)が初発症状となることが多く、30歳未満の突然死の25%程度がARVC由来との報告もあります。
心室頻拍(しんしつひんぱく)自体も、心室の一部から連続して起こる異所性刺激によって頻脈を呈する病態で心室細動に移行する恐れがあるため、危険なものです。

 

ARVCでは三尖弁下と右室流出路、右室下壁心尖部に囲まれた部位に心筋の脂肪線維化と心筋萎縮が起こり、いわゆる心室瘤形成を引き起こします。
心電図異常は50%程度の方にに診られますが病状の進行とともに心電図変化も診られるようになります。

 

心エコーはARVCが疑われる症例や家族内スクリーニングに非常に役立ちます。
ARVCの症状として右室の拡大と壁運動異常が認められます。

 

MRI検査によって心筋の脂肪線維化が診られますが、撮影側の担当者によってばらつきもあり特異性が高いとはいえません。
左室もしばしば障害され部分的(心尖部や側壁が多い)な壁運動異常や心拍ごとに放出する血液量の低下が認められます。

 

ARVCでは構造的な変化が確認される前から不整脈が診られることがあり、注意しなければなりません。

 

心臓電気生理学的検査(EPS)やマッピングがリスク評価に役立つか、この治療法がよいといえる証拠は、はっきりとしていませんが、心室頻拍(VT)が誘発された場合はアブレーションが必要となります。

 

心筋生検はサルコイドーシスや巨細胞性心筋炎との鑑別に役立ちますが、生検を行う中隔は脂肪変性が生じていないこともあります。
そのため、サンプリングエラーの可能性もあり、生検が違う結果であってもARVCが否定されるわけではありません。

 

遺伝子検査はARVCが強く疑われる場合、最終診断の指標にもなります。
また親族の評価を行う目安になるため行われる事もありますが、ARVCの可能性が高くない場合に行うことはお勧めしません。

 

ARVCの鑑別診断としては特発性右室流出路由来の心室頻拍(VT)があげられます。
右室流出路由来VTは心筋構造変化と関係のなく問題のないことが多いです。
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心筋炎との鑑別には遺伝子検査やマッピング、心筋生検を参考にします。
拡張型心筋症(DCM)との鑑別は難しい場合が多いのですが、DCMでは初発症状が心不全であることが多いという違いがあります。

 

呼吸器や全身症状、高度房室ブロックを認める場合はサルコイドーシスとの鑑別を検討します。

 

ARVCにおける突然死のリスクとして上げられるのは、心肺停止歴の既往、心室頻拍VT/心室細動VFの既往、失神歴、左室機能障害、右室機能障害や重度の三尖弁逆流、35歳以下での症状の出現があげられます。

 

ARVCの平均寿命は54歳で突然死や心不全が死因になるケースが主です。

 

これまでの研究で運動による右室前負荷の増加はARVCの進行をはやめ心室性不整脈出現の要因となることが分かっています。
そのため激しい運動はしない方が良いです。

 

ARVCのVT/VFにはアミオダロンやソタロールが効果的であるが、予後を改善したという治療効果ありません。
最近、アミオダロンの投与がソタロールやβ遮断薬と比較して心室性不整脈抑制に効果的である事が分かってきました。

 

心不全を発症した場合にはβ遮断薬やACE阻害薬、利尿剤の投与が標準治療として確立しています。

 

心臓突然死のリスクが中等度から高度のARVC患者では、植込み型除細動器(ICD)が予後延長をもたらす一方で、突然死のリスクが低い患者では植込み型除細動器(ICD)の役割については確立していません。

 

そのためARVCに対する一次予防としての植込み型除細動器(ICD)留置については、患者さんの症例毎にメリットデメリットを評価する必要があります。
VTに対するカテーテルアブレーションは、薬物抵抗性のVTや頻回のICD作動を伴う場合には苦痛軽減に対して効果があります。

 

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